2006年09月13日

2日目。重い思いと、長い思い。

「おはようございます!」

IMG_3530.JPG

「今日はどこまで行くんですか〜?」
「トムラウシ南沼でテント張ります。あの山のふもとです♪」

IMG_3528_2.jpg

「・・・って自分で言ってなんですけど、遠いですね(爆)」

この画像は標準レンズで、ズームなし。なので、肉眼で見たまんまの景色。
今日だけで、あんなところまで歩かなきゃいけないのか。(-ヶ-;)

IMG_3540.JPG
早速北国の洗礼である。登山道、に霜柱。(((−Д−;)

今日は天気が良いが、冷たい西風の吹きさらしである。
起伏は無く、景色もよく、今のところ歩きやすい登山道だが、
根本的に荷物が重いため、体力は奪われる。

IMG_3558.JPG

十勝平野方面は雲海である。
こういう世界は、何度見ても凄い。完全に日常とは別世界である。
エスケープルートもないので、簡単に帰れないため、本当に隔離された世界でもある(汗;)

写真を撮っていると、昨夜山小屋で一緒になった札幌の人に追いつかれる。
途中までコースが同じなので、一緒に行くことになった。
一人旅には、心強いパートナーである。(^-^)
話を聞いていると、昔からの登山家で、ネパールも行っているらしい。
その人は「年を取ったから体力が落ちた」と言われますが、
実際には、付いていくのがやっとでした(@_@;)
人と一緒になると、心強い反面、ペースを合わせなきゃいけないのが難点。
この方は、全然休憩を取らないタイプで、2時間ぶっ通しだった(´д`)=3

そしてたどり着いた忠別岳。
そこから見たトムラウシ。左端の奥。少し近づいたが、まだまだ遠い。
IMG_3579.JPG

で、反対方向奥に旭岳。ここで全工程の半分くらいといったところだろうか?

IMG_3590.JPG

とにかく、荷物が重い。
登っているときはあまり感じないが、返って弊店で距離が長いと、
荷物を重い・・・というか、肩と腰が痛いと感じる時間が長くなる。
しかし、それでも歩行時間3時間、今日の行程の3分の1。
あと6時間も歩かなきゃいけない。(-_-;)
IMG_3596.JPG

それから90分。五色岳山頂。
ようやくトムラウシが小さい粒ではなく、形が分かるようになってきた。
このあたりは森林限界が近いものの、アルプスに比べて登山客が格段に少ない。
この日一日で15人しか会わなかった。(うち10人は同じ団体、どこぞのワンゲル部のようだ)
だから、背丈ほどのハイマツが登山道を覆っており、掻き分けないと進めない。
足元が見えないし、ザックが引っかかるから、神経を使う。
登る体力だけでなく、精神的にもくたびれる。

そこからさらに1時間。ヒサゴ沼分岐。ここまで一緒に来た札幌の人は、
ここでお別れである。翌日の行程のことを考えると、くたびれてはいるが、
僕は先に進んでおいた方が、気持ちは楽になる。
天気も安定しているし、時間的にも順調だ。

しかし、一人になったら、泣き言は許されない。自分との戦いが始まる。
というのも、ここまでで6時間、12kmの歩行。疲れるのも無理も無い。
残り6km、3時間、標高差300m。金華山1つ分??・・・にしては遠い。
なんか足取りが重い。乳酸でガチガチだ。体を持ち上げるのが辛い・・・

・・・もしかして、バテた!?

それも覚悟の上、一人旅は誰も助けてくれない。
バテていることを、認めようが認めなかろうが、関係ない。
自分に課せられたことは、何が何でも、歩く、ただそれだけのこと。
こうなると、体力は尽きて、気力の問題である。
しかし困ったことに、疲れてくると判断力が鈍る。
だけどコースは修羅場。いよいよ最後の難関といった感じで、
これまで平坦だった道は、完全な岩場となり、ルートも不明瞭。
登山道がどこにあるか分からない。何度もルートを外した。
酷いときは5分歩いては小休止という状態。
バテた時の対処法は、水と塩分である。しかし、水は尽きている。

IMG_3597.JPG

目の前に水はあるのだが、北海道の水はキツネの菌が含まれているため、
煮沸しないと、飲めない。ここで煮沸作業をしていたら、日没になってしまう。
辛くても、歩けば、距離は縮まるということは確信している。
冷静に時間の計算をすれば、焦ることは無い。このペースなら、間に合う。

IMG_3600.JPG

ようやくトムラウシは手の届くところまで来た。山頂直下の北沼に到着。
15:30。残り行程30分。山頂は明日目指す。もう登りは無い。

IMG_3599.JPG

振り返れば、旭岳、白雲岳が分からないくらい遠くに霞んで見えた。
あそこから1日で来たと思うと・・・よくやった、とも思う。
でも残念ながら、体力が無いだけのことであり、苦労は賞賛にならず、
むしろ危険行為である。かといって、怪我も無く、無事にたどり着いている。
だから、結果は、歩いた。それだけのことだ。


テント場に着くと、なんとなくそんな予感はしていたが、

IMG_3604.JPG

案の定、自分だけであった。

標高約1800m、雲より高い世界。何かの鳴き声はするものの、
半径5km以内、人間は自分独りきり

こんな体験、さすがに初めて。
これは良いことなのか、悪いことなのか??
なんでこんなに頑張らなきゃいけないんだろう?
こんな苦労して、何のためになるんだろう?
自分だけの世界、単なる自己満足のため?
疲れ果てて、発想が自棄になってる・・・(;_:)
でも、これだけは、慰めになった。
これだけのことをしたから、出会えた景色。
これだけのことをしないと、出会えない景色。

IMG_3620.jpg
posted by くうきびと at 11:40| 🌁| Comment(0) | TrackBack(0) | (山) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。

この記事へのトラックバック
×

この広告は180日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。